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薄毛を改善するために、育毛剤、飲み薬、かつら、結着増毛、はては人工毛移植など、様々なアプローチが試みられてきました。しかし、天然の自分の髪の毛が生える、増えるという意味では、満足する結果を得るのは難しいものです。『自分の髪の毛を生やすには、髪のある皮膚ごと移植してはどうか?』と昔の人は考えました。頭皮の移植の歴史は古く、アイデア自体は1800年代から存在したようです。研究結果として残っているものは、日本人である奥田医師が大戦前に発表し、戦後にアメリカで発展しました。今日では薄毛の治療法として、自毛植毛手術は、フィナステリド、ミノキシジルといった薬剤と同様に確立されています。
髪の毛を生み出す器官は、医学的には毛包 (hair follicle) といいます。皮脂を分泌する皮脂腺、汗を分泌する汗腺などとともに、皮膚付属器と呼ばれます。自毛植毛術の際、毛包を植物の苗にたとえて、株や移植株と呼ぶこともあります。
手術直後は、術中に使用した眠くなる薬剤の影響で、まだボーっとしていることが多いです。飲み物や軽食をおとり頂き、意識がはっきりした状態でご帰宅(または近隣のホテル泊)となります。頭部はガーゼ、包帯、テープで保護されています。軽い痛みはありますが、お渡ししている鎮痛薬で十分に対応可能です。もし、寝ている間に包帯がずれてしまったとしても、ご自身でガーゼや包帯を巻き直さない様にお願いしています。不適切な処置(移植部を擦ってしまう、乾燥させてしまう等)を行うと、かえって創部が悪化してしまうからです。ですから、なるべく触らず、翌日に受診して頂くようにお伝えしています。
翌日はクリニックを受診して頂き、ガーゼを外して移植部とドナーの確認をし、洗髪方法を説明いたします。カットやヘアシートの取り付けを希望される患者さんには、このときに対応しています。その後はご自身でのケア、観察を続けて頂くことになります。不安なことや、発赤、痛みがあればお電話やメールにてご連絡を取り、必要に応じて受診して頂きます。
移植を受けた部分は、小さなカサブタがびっしりと固着しており、見た目が気になるものですが、はじめの1週間はカサブタを取らない様にしましょう。シャンプーの泡をのせ、後頭部からシャワーの湯をかけ流すように洗いましょう。頭皮と移植株がつながり、新しい血管による血流再開までの間は、カサブタが接着剤のように機能して支えてくれるからです。1週間を過ぎれば、入浴時に指の腹を用いて、優しく擦り洗いしましょう。
移植部分の皮膚の色は、ほんのりピンク色をしています。この色の変化はしばらくの間(数か月間)続きます。術後半年から一年の間に、元の肌色に戻っていることが多いです。
後頭部のドナー部の小さな傷は、翌日にはほぼ止血し、数日でふさがってしまいます。周辺の温存した毛(採取しなかった髪の毛)が伸びてくれば、ドナーの白い傷痕が隠れて目立たなくなります。術後10日から2週間くらいかかります。
術後2週間頃からショックロス(一時的な脱毛)が起こります。移植した短い髪の毛だけでなく、移植部の周囲の長い髪の毛(既存毛)にも脱落が生じます。また、後頭部などのドナー部分でも起こります。これは手術のストレスによる影響と考えられています。ショックロスの程度は個人差がありますが、概ね術後3か月くらいまでは、手術前よりも髪が少ない状態になります。術後4か月目には、移植した毛包からは新しい髪が出てきますし、既存毛も復活してきますから、順調に髪の毛が増える、伸びると実感できるようになります。生えそろうには、少なくとも術後8か月、遅い方で1年ほど必要です。
髪の毛が沢山含まれた皮膚をどこから採取するか?という問題があります。男の人の薄毛で、最も有名なものは男性型脱毛症(AGA)です。サザエさんの波平さんは、男性型脱毛症が進行した典型例です。そんな彼でも、後頭部だけはしっかりと髪の毛が残っているではありませんか。この部分こそ、株を採取する場所となります。ところで、男の人の薄毛は、全員がAGAではありません。他の理由から薄毛になっているケースもあります。また、女性にも薄毛で悩む方、薄毛ではないもののヘアラインを整えたいという理由から、自毛植毛術の適応となる患者さんがいます。これらの男性、女性においても、後頭部がドナーの第一候補となります。理由は、後頭部は頭全体の中で、最も髪の密度が高く、太い髪が多く、一つの毛穴から複数の毛が生えている毛包が多いからです。
必要な数の毛包を採取した後、髪の毛が少ない部分に移植します。一般の皮膚移植手術と同様に、数日後には頭皮と毛包の間に新しい血管のつながりが生まれ、1週間ほどで生着します。そこから髪の毛が十分な長さ、太さに生えそろうには、8カ月~1年程度の期間が必要です。
自分の皮膚を移植するわけですから、アレルギーの可能性や感染するリスクは低く、治療効果は半永久的に続くというものです。お薬については、自毛植毛術を受ければ薬はもう要らなくなるということはありません。薄毛の大きな原因がAGAである場合、フィナステリドなどの抗ホルモン薬を継続することで、病状の進行を緩やかに抑えることができます。必要に応じて人生で何度か自毛植毛術を受けられる方もいらっしゃいます。
自毛植毛術は万能の治療法ではありません。『毛包のお引越し』に過ぎないため、後頭部や側頭部に髪(毛包)が乏しい場合大きな手術はできません。その様な患者さんでは、必要最小限の材料で薄毛の改善を得るために、移植する部位、デザイン、密度などを厳密に検討しなくてはいけません。一方、AGAだけれども後頭部や側頭部はふさふさ髪があるという方は、大きな株数の手術を何度も受けることができます。
自分の髪の毛が生えるというのが最大のメリットです。既存の髪の毛と同じように伸び、抜けて生え変わります。ストレート、縮れ毛といった特徴も元々のものを引き継ぎます。頭皮の傷がしっかりと治癒した後は、水泳や激しいスポーツも躊躇なく行うことが可能です。パーマや、染色、脱色もできます。若い時に手術を受けた方が、後頭部に白髪が目立ってくる頃には、移植先でも白髪になってきます。
手術ですから身体への負担があります。痛み、腫れ、浮腫み、術後の安静(特に頭皮の)を要することなどのダウンタイムがあげられます。術後の特に1~2週間は、周囲に植毛手術がばれるのではないかという心配もあるでしょう。手術料金は、他の美容外科手術と比較して高額といえます。十分な長さ、太さに生え揃うまでには1年近くの期間が必要なため、即効性は無いです。何かのイベントに備え、すぐに薄毛をなんとかしたい場合は、かつらや結着増毛に頼るのが早いです。
ニードル法とは、自毛植毛の手術法の一つであり、毛包単位をあらかじめ移植針にセットし、これを頭皮に刺すと同時に置いてくるという方法です。代表的なものとして、Choi(チョイ)式という専用の移植針が知られています。毛包を得るためには、後述するストリップ法またはFUE法で準備する必要があります。
ニードル法と直接比較する相手として、スリット法があります。頭皮にスリットナイフ、注射針またはパンチで穴をあけておき、続いてピンセットを用いて毛包を穴に差し込むことを言います。スリット法の方がより高密度の移植が可能です。ニードル法では、移植針を皮膚に刺したとき、近傍の移植された毛包が押し出されてしまうため、高密度の移植が難しいのです。
1990~2000年代まで自毛植毛術の主流であった方法です。後頭部の頭皮を細長く切り取り、それを毛包単位になるまで細切れにします。髪の毛が少なくなった部分の頭皮に、穴を開け毛包を移植します。後頭部のドナーは、そのまま縫い閉じますから、直線状の長い傷痕が残ります。この手術の特徴として、毛包を得るためにかかる時間が短いと言えます。採取した皮膚を毛包単位に細切れにするための人手(数人がかりで行う)と時間は必要です。また、毛包を切り分ける際に、顕微鏡またはルーペ下に直視下で行うため、毛包の切断率が低いすなわちクオリティの高い移植株を得られ、発毛率が高いことが知られています。歴史の長い手術であり、技術は確立されまた手術料金も落ち着いています。
ストリップ法の欠点としては、手術後の痛みや違和感が強いことです。皮膚を切除して、そこをぐっと縫い閉じるわけですから、強い痛みやツッパリ感が続くのはやむを得ないです。ときには傷痕は幅広く、盛り上がり、目立つこともあります。後頭部の傷痕が見えてしまうため、短髪にしづらくなります。
ストリップ法のように大きく皮膚を切り取らずに済ませられないものか、というアイデアは昔から存在しました。直径5mm程度の丸いパンチで頭皮をくり抜き、塊ごと移植するというものです。丸い皮膚の中には多数の毛包が含まれているので、薄毛部分にポツンポツンと移植すると、ブロック状に不自然な感じになります。またドナー部分も大きな穴状の欠損が生じ、縫い閉じても傷痕が目立ちました。
FUE法は、これをもっと小さな最小の単位で行うというものです。2000年代の前半から始まり、現在では国内外で広く行われるようになった手術法です。日本国内においては、大手の植毛クリニックが名付けたダイレクト法という名称が有名です。FUEとはFollicular Unit Extraction の略で、毛包単位をひとつずつくりぬいて採取するという意味です。ストリップ法のように、頭皮を大きく切り取るということがなくなり、患者さんからは非常に好意的に受け入れられました。中空のパンチを頭皮に刺し、手動または電動器械で持ち上げて採取します。パンチの直径は1mmを超えるものから、細いものは0.85mm以下まであります。理論的にはパンチが細いほど、小さな傷ですみ、傷痕も目立ちにくくなります。しかし、細いパンチで毛包をくり抜くことは、技術的に難しく技量の低いドクターが行うと毛包を切断しやすくなります。傷ついた毛包を移植すれば発毛率は著しく低下してしまいます。これらの理由から、FUE法で切断率を低く抑え、なおかつ短時間に多数の毛包を採取するというのは極めて難しく、医師には高い技術が要求されます。
FUE法でできた後頭部の傷は、数日内で閉じて治り、その後は白い傷痕として残ります。ある程度周囲の毛を残しておけば白い傷痕は隠れて目立ちません。後頭部の髪の長さが5mm以下になると、傷痕は見えやすくなります。また、数千株を超える採取を行うと、後頭部の毛髪が乏しくなるため注意が必要です。生涯に無理なく採取できる株数は、個人差が大きいため植毛医とよく相談しましょう。
FUE法が普及した当初、多くの植毛医が十分な訓練をせずに行うようになったため、ストリップ法より発毛率が低い、後頭部の傷痕が事前の説明よりも目立つ、手術料金が高いなど、ネガティブな面も注目されました。特に、これまでストリップ法で実績を積み上げてこられたドクター達からの意見が多かったと思います。
ストリップ法、FUE法、素晴らしい結果を出して患者さんの満足を実現しているクリニックは存在します。2020年代の現在、各クリニックや個人のホームページ、SNSから手術結果について得られる情報は非常に多くなりました。十分に吟味したうえで、クリニックを選ぶことが大事です。納得できるまで、いくつかのクリニックを比較検討されると良いと思います。
基本治療費 | 220,000円(税込) |
移植1株(グラフト)あたり スタンダード法 | 880円(税込) |
移植1株(グラフト)あたり アンシェーブン法 | 1,430円(税込) |
アスク美容クリニック銀座およびアスク井上クリニックで行われている自毛植毛は、それ以外のFUE法と一味も二味も違います。まだ日本にFUEが導入される以前、井上浩一理事長が2000年代に前身の植毛クリニックを開業するにあたり、渡米して得たノウハウを、今日まで進化し続けてきたからです。それは手術手技、移植株の管理、医療器械の改良など、あらゆる面に及びます。
前提となる、薄毛の診断については、多くのクリニックでは一括りにAGAと診断されていることがしばしば見受けられます。実際は、純粋なAGAによる薄毛患者さんは少なく、多くの場合で他の要因も複雑に絡んで薄毛になっています。その場合、対応も変える必要があります。
ヘアラインについての考察、デザインも、クリニック間での差が非常に大きいと感じています。当クリニックでは、『解剖学的なデザイン』を常に意識しています。薄毛になる前にどうであったかを想像し、前頭筋、側頭筋、眼輪筋や眉毛などとの位置関係から『根拠のあるヘアライン』をデザインし、患者さんに提示しています。
手術手技で大切なことは、極めて繊細な組織である毛包を、無傷で採取すること、正しい毛流で高密度な移植床を作る事、無傷で株を移植することですが、注意点は多岐に渡ります。日々、私たちドクターおよびナース達は修練を重ねています。アスク美容クリニックの自毛植毛をご理解頂くには、実際にカウンセリングを受けて頂く、症例写真を見て頂くのが一番良いかと思います。
Q.カウンセリング当日にそのまま手術を受けられますか?
カウンセリング当日の手術は承っておりません。
当院では、基本的にカウンセリング当日の施術は承っておりません。手術をお急ぎでご検討されている場合は、カウンセリング予約時にお申し出ください。
Q.採取部を剃毛する必要がありますか?
剃毛の必要はございません。
アスク美容外科クリニックのアンシェーブンi-SAFE法では、採取部を剃毛する必要はございません。そのため、周囲にも気づかれにくいというメリットがございます。
後頭部を剃毛するスタンダードi-SAFE法もございます。
Q.効果はどのくらい続くのでしょうか?
基本的に一生涯持続します。
植毛の効果は基本的に一生涯持続します。自毛植毛では、薄毛にならない後頭部や側頭部などから毛包を採取し、気になる部位に移植します。毛だけでなく毛包ごと移植するので、移植後も新しい髪が生え続けます。さらに、採取した毛の性質は変わらないため、後頭部の薄毛にならない毛質が一生涯続きます。
Q.植毛した箇所が生え揃うのに、どのくらいかかりますか?
8ヶ月~約1年となります。
移植してから発毛が始まるのは術後4ヶ月くらいからです。術後半年くらいで大半の毛髪が発毛し、移植部は2~3センチくらいの毛が生えている感じになります。髪が自然に生え揃うようになるには、8ヶ月~約1年となります。
Q.痛みが心配です。
手術時の痛みや傷を抑えた麻酔や術式を採用しており術後も楽に過ごせます。
アスク美容クリニックでは、手術時の痛みや傷を抑えた麻酔や術式を採用しております。従来のメスで頭皮を切り取る自毛植毛手術と比べると痛みが少なく、術後も楽に過ごせます。
Q.保険は適用できますか?
当院は自由診療のみとなります。
Q.提携している駐車場はありますか?
西銀座駐車場を無料でご利用になれます。
クリニックのスタッフが現地で直接支払いさせていただきます。
豊富な経験、知識を備えたドクター陣がご相談させて頂きます。
▼アスク美容クリニックのヘアライン矯正のページはこちら
【ヘアライン矯正】https://asc-biyoclinic.com/treatment/hairline-correction/
医師
【経歴】
2003年 | 金沢大学医学部卒業 |
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2003年 | 東京女子医科大学形成外科学教室へ入局 |
2011年 | 東京女子医科大学大学院進学(同時に美容外科研修を開始) |
2012年 | 井上浩一統括院長の元で、自毛植毛に従事 |
2015年 | 学位取得(東京女子医科大学大学院修了) |
2018年 | 獨協医科大学形成外科教室 医局長 |
2019年 | 獨協医科大学 講師 |
2023年 | アスク井上クリニック・アスク美容クリニック銀座 非常勤医師 |
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